水族館の夜

書きたいことを書いていきますよ。

僕と札幌

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僕がどうして札幌に住むことになったのか。


高校三年生の夏、僕は彼女と付き合っていた。

何もかもが新鮮で色々なものを吸収していった。

失うものは童貞くらいだと思っていた。


彼女は桜新町に住んでいてお嬢様学校へ通っていた。

付き合うなんてわけがわからないからそうなったのはノリと勢い。

彼女は北大を目指していた。

応援するために授業中1人で千羽鶴を折った。

僕の方はというと何も考えていなかったのでとりあえず札幌に住むことだけを考えた。

その結果、父親の会社の北海道営業所をつくることになり高校三年生の3学期から、単身札幌に移り住んだ。

琴似


仕事で必要なスキルとして自動車免許の取得があったので、東京の高校へは行かずひたすら発寒の自動車学校へと通った。


札幌に住んで1ヶ月が過ぎる頃ずっと1人だった僕は時間を持て余していた。

インターネットが普及し始めた頃だから今以上にインターネットにはまっていた。

特に当時はまっていたのがチャットとオフ会。

年齢も姿形もわからない人達との交流をが楽しかった。

その日も僕はチャットルームに入り浸り時間を潰していた。

毎日通うチャットルームもマンネリ化してきたので新しい世界の開拓をしようと思った。


そこで出会ったのが地域のツーショットチャット。

僕は手探りで部屋を立てて待っていた。

深夜にもかかわらず、程なくすると誰かが入ってきた。

同じ札幌で白石あたりの人だったと思う。

僕よりも歳上の女性。

どんな話をしたかは覚えていないけどその人とICQのアドレスを交換した。

それからさらに携帯電話のアドレスも。

夜の深みを増すのに比例して僕らの会話も深くなっていく。

「今日会おう」

そう言われてなすがままに円山あたりで待ち合わせた。


「これって浮気だよね」と思いながらも公園や動物園で遊んだ。


気がつくと僕はその人の家にいたし裸で抱き合っていた。


当たり前のように貪りあって僕は射精した。

その人の頭を越えて壁まで飛んでいった精液を見て2人でケラケラ笑った。


帰宅。


数日後にその人から連絡があり「また会いたい」と言われて白石まで行った。

高校生なりに気を利かせてコンビニでおでんを買って行った。

2人でそれを食べていたらキスをされた。

その時初めてまた誘われた理由がわかった。


でも僕はその時彼女のことが思い浮かんで拒絶した。

そのことを伝えるとその人は笑った。

「私も九州に恋人がいるけど寂しかったから」

そういうとまた求めてきたので僕は泣いてしまった。

「ごめんなさい。やっぱ無理」


帰宅。


それから会うこともなかった。


春になり彼女は北大に落ちた。