まもなくマウラへ到着します
オンラインゲームの話ですよ。
札幌から戻った20歳の僕にはどうしても始めたいことがあった。
札幌で彼女といる時にそのゲームを知り、その時から実はゲームの事で頭がいっぱいだった。
FF11というオンラインゲームを始めるには色々と大変であると知る。
必要なものはPS2、BBユニット(だっけ?)、それとネット環境。
これは札幌に居たらどれも条件を満たせなかったであろう。
ということでフラれて東京の実家に戻った僕は新しいスタートを切ることになる。
多分順番的には前の話にも書いた0泊7日から戻ったくらいかその前くらい。
実家なのでネット環境とPS2はなんなくクリアしたので残すはBBユニットだ。
ネットで予約をしたので到着を待つ。
FF11サービス開始から2.3週間くらい遅れて僕もスタートする。
ネトゲというものはこのスタートダッシュが重要なのだ。
色々な種族からとりあえず当たり障りのない普通の人間の♂で始める。
色々やってみたいので赤魔道士を選ぶ。
サービス開始すぐってことで不具合やらメンテと戦いながらのログイン。
初めてから一週間がたった。
街中でもフィールドでもその辺にいる人みんながプレイヤーという新鮮さ
しかしどうコミニケーションをとったらいいものかわからなかった。
当時最弱だったと思う赤魔道士で地味に毎日レベル上げをする日々。
文章にすると苦行でしかないけどこれが楽しかった。
コツコツとお金を貯めて装備でも新調しようかと考えていた頃。
まだ競売がないので高い値段で店売りのを買うか自分で作るかくらいしかなかった。
赤魔道士で装備できるその時の最強の片手剣、ビースパタがどうしても欲しくて作るために錬金術のギルドへ向かった。
そこではみんな何かしら錬金術の作成をしていた。
自作するにもさっぱりわからなかった僕は、作成をしている人に片っ端から声をかけた。
その中の一人がビースパタを作れるらしいのでお願いをした。
「材料を集めてきてくれれば作るよ」と言われたので蜜蝋の材料の蜂の巣を集めるためにひたすら蜂をしばき倒す僕。
材料が集まりさっそく作ってもらう。
憧れの武器ビースパタ。
これを手にした時からますますオンラインゲームへハマっていった。
それからまた一週間後。
上げ始めた錬金術もビースパタを作れるようになり、僕よりも初心者を見かけると声をかけてポーションや武器を作ってプレゼントをしていた。
寝る時はそれらのアイテムを販売しながら放置をしていた。
程なくして競売が実装される。
これはFF14でいうマーケットで、プレイヤーが楽に売買をできるシステムだ。
プレイヤーの姿が見えないので少し寂しいけどその便利さゆえみんな使うのが当たり前に。
街周辺から離れてサポートジョブのクエストを受けるためセルビナへ向かう。
移動手段が徒歩しかないし、アクティブな敵に見つかれば逃げることも困難で殺されてしまう世界。
なんだかんだでバストゥークからセルビナまで移動するのにリアル1日か2日かかってしまった。
セルビナは初心者から少し慣れてきた人々で溢れかえっていた。
サポートジョブ取得のクエストを受けようと思っていたが、こんなに人数がいると大変だと思い同じクエストが受けられるマウラへ行こうと予定を変更した。
そういえばこの頃くらいにその辺で声をかけられた人と仲良くなってLSをもらった。
どこにいてもチャットが出来るメンバー。
リアルの話もしたりして楽しかった。
その辺で戦っている人たちもみんな中身は生身の人間
不思議な感覚。
セルビナからマウラへの移動は船。
船の到着時間や移動時間。
今となっては面倒なだけだけど僕はこの旅行をしている感じが楽しかった。
移り変わる景色や時間。
まもなくマウラへ到着します。