水族館の夜

書きたいことを書いていきますよ。

15歳のインターネット

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10歳くらいの頃、我が家にマッキントッシュが来た。

パソコンなんてSF映画の世界だと思っていたのでなんだか嬉しかった。

何が出来るのかサッパリ分からない僕に父はいくつかのゲームを買って来てくれて、僕はそれで遊ぶことにした。

シムシティ、タワー、あとは思い出せない…。

特にタワーははまって毎日少しずつだけど遊んでいた。

パソコンに慣れるというよりはゲームをプレイしていただけ。


それから5年くらいが過ぎてマッキントッシュはボンダイブルーiMacになった。

インターネットというものが徐々に普及し始め、我が家でもそのビッグウエーブにのることになる。

今みたいに使い放題が主流ではない為、23時とかそのへんの時間以降に使い放題になるテレホタイムがゴールデンタイムだった。


インターネットを使い始めた頃は父と一緒にネットサーフィンをすることが多かった。

よく二人で旅行に行くことが多かったのでインターネットでの情報収集というのは気軽で興味深いものに溢れていた。

誰もがみんな情報の発信を手軽にできたし、すぐさまそれを見ることができる世界にどっぷりとハマっていく。

ある日、いつものように夜中に父親と今度行く京都のカフェについて調べようとしていた。

京都の有名店、六盛がやっているスフレのお店だ。

「 京都 スフレ」と入力して検索をする。

しかし出てきた検索結果というものが

「 京都 セックスフレンド」の検索結果ばかりだった。

おびただしいセックスフレンド募集の検索結果に父と二人で固まる。

キノフロニカ15歳、インターネットの闇を知る。

なんとか目的のスフレのお店の場所も分かり、実際にお店で食べることも出来たさ。


インターネットの闇を知ってしまった僕はボンダイブルーiMacを性的な目でしか見られなくなってしまった。

のちに札幌からの強制送還となるウクライナ人のエロ画像の乱に繋がるとはその時思いもしなかった。

お手軽に広がる世界中の無修正おまんこに僕は「わぁ!」と声を上げる。

数々のブラクラ、グロ画像、びっくり系のFlashと戦いながら僕はインターネットサーフィンの腕を上げていった。


インターネットに少しずつ慣れてきた頃、友達の誘いもあってB'zのチャットルームに通っていた。

ここでまず必要なのがハンドルネームだ。

僕が使っていたのは

JD9

カレーの王子様

死神ラッコ

そして、キノフロニカ。

キノフロニカは18歳頃から今に至るまで使っているのでけっこう長い。


チャットルームで毎晩知らない人たちと会話を楽しんだ。

その知らない人たちとオフ会で会うようになり、顔見知りになっていき、さらに仲良くなると少人数で遊び、友達になっていった。

周りの流れにのりICQというメッセンジャーみたいなアプリを入れたり、自分のホームページも作った。

HTMLをネットや本で勉強して作った自分だけのホームページ。

カウンター、掲示板なんかを入れたりバナーやトップページの看板もフォトショップで作ったりもした。

過去のことっぽいけど今もそのサイトが残ったままなのがちょっとやっかい…。


ある日の事、いつも通りチャットルームでみんなで話しているとよく話す人にICQのアドレスを聞かれた。

それだけならよくある事なのだが、そこから個人のeメールのアドレスも聞かれたので少し警戒した。

でも警戒したのは少しだけだからすぐに教えると、その人とはメールの方で話す事が多くなった。

名前はセリさんとしよう。

セリさんとのメールは自己紹介やB'zの話、

日常の会話なんかが主だった。

相手は28歳の大人で女性だと言っていたので緊張した。

世界中の無修正おまんことメールのやり取りを交互にしていたので色々と意識をしてしまっていた。

思春期だもの。

そんなセリさんからある日急に二人で遊びたいと言われた。

というのも何度か僕が「高校生になったら一人旅をしてみたい。」と言っていたからである。

「それなら私のいる神戸においでよ。」と近所みたいな感覚で誘われた。

東京から神戸なら旅っぽい距離なので僕は神戸に行く計画を立てることにした。

28歳の女性に会いに行くことを決めた15歳の僕。

やはり行き方を調べる時も片手間にあったのは世界中の無修正おまんこだった。


そして神戸へ

人生初の一人旅はデートだった。